木村元彦氏 シャムスカ現象を検証する

21日の大分合同新聞に掲載された木村氏の記事
http://www.oita-press.co.jp/localSports/120726999419/2009_124813747298.html
まず進化しない練習内容に愕然としたとあり、
オシムベンゲルを持ち上げつつシャムスカを切り捨てているのだが・・・
千葉のイビツァ・オシム(前日本代表監督)は多種類のビブスを用いて人もボールも動くサッカーを叩(たた)き込んだ。
次々に人が湧(わ)き出るような走力で度肝を抜き、初年度はマンマークの3バックを土台にしたカウンターサッカー、2年目はポゼッション率を高め、
ナビスコ杯優勝の翌年は完成型として2バックの超攻撃的布陣を敷こうとして代表監督に引き抜かれた。

自分の記憶が正しければシャムスカも3種類のビブスを着させて練習をしていたし、
1・2年目はマンマークの3バックを土台にしたカウンターサッカー、
3年目はポゼッションサッカーを目指していた。
2バックの超攻撃的布陣も劣勢時のオプションとして何度も試合で目にしている。
足掛け5年にも渡る長期政権がマンネリを起こしていたとは自分も思います。
しかし今年の14連敗の一番の要因は、何連敗しても練習場で改善しないシャムスカの引き出しの無さではなく、
センターバックのできるDFの層の薄さとエジ・ホベ両ボランチの怪我である。

そして、「大恩人」批評できずと続くのだが・・・
なるほどシャムスカ年棒1億は高いですしコーチも含めるとかなりの額のはず、
しかしそれを決め決断したのは社長であり強化部長である。
すべてを丸投げしてきたのはだれなのか?
ベンゲルオシムを引き合いに出して通訳を育てろとも書いているが、
この二人の通訳は日本人であった、監督と通訳の意思の疎通は改善されても問題はそれを選手に伝える日本語能力にあったことを気づいてないですね。
そして強化部の責任としてシャムスカの人材登用の才のなさと
監督としての限界も分かっていたのに、解任を引き延ばした点を指摘し結んでいる。
これは正直、『はあ?』である。
シャムスカを聖域化しないでほしいという氏の論調には賛成である。
シャムスカオシムの域まで達していないことも承知しているつもりだ。
だがしかし、強化部の責任を問うなら前述したセンターバックのできるDFとボランチどちらも補強しなかったことだろ?
誰よりもシャムスカに勝って欲しいと願っていたのは通訳や選手補強などのサポートを怠った原靖強化部長ではなく、
我々サポーターなのだ。

ユーゴ三部作として有名な『オシムの言葉』は近年では稀な面白いサッカー本であった。
同じ1962年生まれとして木村元彦氏には期待していた一人だし、
サッカー批評等で大分トリニータをことあるごとに取り上げてくれてくれたことにも感謝していたのですが・・・

この日のコラムでとても残念なことだが自分は氏をジャーナリストと認めることができなくなった。